加点項目としての事業継続力強化計画の基本|補助金申請での活用法

賃上げ・加点・要件

要点サマリー

  • 事業継続力強化計画は中小企業が自然災害等のリスクに備える計画を策定し、経済産業大臣の認定を受ける制度です。
  • 認定を受けると、ものづくり補助金や事業再構築補助金など複数の補助金で加点項目として評価される場合があります(公募回により異なる)。
  • 申請は電子申請が原則で、認定までの期間は一般に30日程度とされていますが、最新の手続き詳細は公式サイトで確認が必要です。

補助金申請で「加点」が重要な理由

補助金の申請では、要件を満たすだけでなく審査で高い評価を得ることが採択の鍵となります。多くの補助金では、事業計画の内容に加えて「加点項目」が設定されており、該当する取り組みや認定を受けている事業者は審査で優遇される仕組みです。

加点項目の一つとして近年注目されているのが「事業継続力強化計画」の認定です。自然災害や感染症など事業継続を脅かすリスクへの備えを計画し、国の認定を受けることで、補助金申請時に加点を得られる可能性があります。

本記事では、事業継続力強化計画の基本的な仕組み、認定要件、申請手順、そして補助金申請での活用方法について、執筆時点の一般的な情報をもとに解説します。

事業継続力強化計画とは

制度の概要

事業継続力強化計画は、中小企業が自然災害等のリスクに備えて、事業活動の継続に向けた取り組みを計画し、経済産業大臣の認定を受ける制度です。中小企業強靱化法(正式名称:中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律)に基づき、2019年7月から運用されています。

この計画では、ハザードマップ等を活用した自社の災害リスクの認識、発災時の初動対応、復旧対応、平時の備え(訓練・点検等)などを記載します。認定を受けることで、税制優遇や金融支援、補助金の加点など複数のメリットが得られるとされています。

対象となる事業者

事業継続力強化計画の認定対象は、中小企業基本法上の中小企業者です。業種ごとに資本金または従業員数の要件が定められています。一般に、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、小売業は資本金5千万円以下または従業員50人以下、サービス業は資本金5千万円以下または従業員100人以下とされています(執筆時点)。

詳細な要件は中小企業庁の公式サイトで確認してください。

認定までの一般的な流れと要件

申請の手順

事業継続力強化計画の申請は、原則として電子申請システム(経済産業省の「電子申請システム(jGrants)」等)を通じて行います。執筆時点では、以下のような流れが一般的とされています。

  1. 計画の策定:中小企業庁が公表している「事業継続力強化計画策定の手引き」や記載例を参考に、自社の災害リスク分析、初動対応、復旧対応、平時の備えなどを記載します。
  2. 電子申請:jGrantsにアカウントを作成し、必要事項を入力して計画書を提出します。
  3. 審査:経済産業局が計画内容を審査します。認定までの標準処理期間は30日程度とされていますが、申請内容や時期により前後する場合があります。
  4. 認定通知:認定されると、認定書が交付されます。

申請手数料は不要です(執筆時点)。

計画に記載すべき主な内容

事業継続力強化計画には、一般に以下の項目を記載します。

  • ハザードマップ等を活用した自然災害リスクの確認・認識
  • 発災時の初動対応(安否確認、避難手順等)
  • ヒト・モノ・カネ・情報を守るための具体的対策
  • 復旧対応(業務の優先順位、代替手段等)
  • 平時の取り組み(訓練、点検、見直し等)

記載例や様式は中小企業庁の公式サイトで公開されています。

認定のメリット

事業継続力強化計画の認定を受けると、執筆時点では以下のようなメリットがあるとされています。

  • 税制優遇:防災・減災設備への投資について、特別償却(取得価額の20%)が適用される場合があります(要件・期限は税制改正により変動)。
  • 金融支援:日本政策金融公庫の低利融資、信用保証の別枠追加などが利用できる場合があります。
  • 補助金の加点:ものづくり補助金、事業再構築補助金、IT導入補助金など、複数の補助金で加点項目として評価される場合があります(公募回により異なる)。

税制や金融支援の詳細は、税理士や金融機関にご相談ください。

補助金申請での加点対象となる制度例

事業継続力強化計画の認定は、複数の補助金で加点項目として設定されています。執筆時点で一般に加点対象とされている主な補助金は以下の通りです。

ものづくり補助金

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)では、事業継続力強化計画の認定を受けている事業者に対して加点が行われる場合があります。公募要領の「審査項目」に明記されており、認定書のコピーを提出することで加点対象となります(公募回により要件が変わる場合があります)。

最新の公募要領はものづくり補助金事務局で確認してください。

事業再構築補助金

事業再構築補助金でも、事業継続力強化計画の認定が加点項目として設定されている場合があります。公募要領の「加点項目」欄に記載されており、認定を受けていることを証明する書類の提出が求められます。

最新情報は事業再構築補助金事務局で確認してください。

IT導入補助金

IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)でも、事業継続力強化計画の認定が加点対象となる場合があります。公募要領で加点項目として明記されている回次では、認定書の写しを提出することで加点を受けられます。

詳細はIT導入補助金事務局で確認してください。

その他の補助金

上記以外にも、自治体独自の補助金や、持続化補助金など他の国の補助金でも加点項目として設定される場合があります。申請を検討している補助金の公募要領を必ず確認し、加点項目に事業継続力強化計画が含まれているかをチェックしてください。

公式・参考情報(一次情報リンク集)

よくある質問(FAQ)

Q1. 事業継続力強化計画の認定を受けると、必ず補助金に採択されますか?

A. いいえ、認定を受けても補助金の採択を保証するものではありません。事業継続力強化計画の認定は加点項目の一つであり、審査では事業計画の内容や他の加点項目も総合的に評価されます。認定は採択の可能性を高める要素の一つとお考えください。

Q2. 認定までにどのくらいの期間がかかりますか?

A. 執筆時点では、標準処理期間は30日程度とされています。ただし、申請内容の修正が必要な場合や、申請が集中する時期には、これより長くかかる場合があります。補助金の申請スケジュールを考慮し、余裕をもって申請することをお勧めします。

Q3. 一度認定を受けた計画は、更新や見直しが必要ですか?

A. 事業継続力強化計画は、認定後も定期的に見直し・更新することが推奨されています。事業環境の変化や新たなリスクの発生に応じて計画を改訂し、必要に応じて再認定を受けることが望ましいとされています。詳細は中小企業庁の公式サイトで確認してください。

Q4. 複数の事業所がある場合、事業所ごとに計画を策定する必要がありますか?

A. 一般に、企業全体で一つの計画を策定することが可能です。ただし、事業所ごとにリスクや対応が大きく異なる場合は、事業所ごとに計画を策定することも検討されます。具体的な記載方法は、中小企業庁の手引きや記載例を参照してください。

Q5. 認定を受けた後、補助金申請時にはどのような書類を提出しますか?

A. 一般に、認定書のコピーを補助金の申請書類に添付します。補助金ごとに提出書類の要件が異なる場合がありますので、公募要領で指定された書類を確認してください。

申請時の注意点

公募要領で加点項目を必ず確認

事業継続力強化計画の認定が加点対象となるかは、補助金の公募回ごとに異なります。申請前に必ず最新の公募要領を確認し、加点項目に含まれているかをチェックしてください。加点項目が変更されている場合もあります。

認定のタイミング

補助金の申請締切までに認定を受けている必要がある場合が多いです。認定には一定の期間がかかるため、補助金の申請スケジュールを確認し、逆算して事業継続力強化計画の申請を行ってください。

計画内容の実効性

形式的な計画ではなく、自社の実態に即した実効性のある計画を策定することが重要です。認定後も計画に基づいた訓練や点検を実施し、PDCAサイクルを回すことが求められます。

他の加点項目との組み合わせ

事業継続力強化計画以外にも、賃上げ、地域未来投資促進法、経営革新計画など、複数の加点項目が設定されている場合があります。複数の加点項目を満たすことで、より高い評価を得られる可能性があります。

専門家(行政書士)に相談を考えるタイミング

事業継続力強化計画の策定や補助金申請は、自社で対応することも可能ですが、以下のような場合には専門家への相談を検討されると良いでしょう。

  • 計画策定の時間が取れない:日常業務が忙しく、計画書の作成に十分な時間を割けない場合。
  • 記載内容に不安がある:ハザードマップの読み方や、具体的な対策の記載方法に自信がない場合。
  • 複数の補助金を同時に検討している:事業継続力強化計画と他の加点項目(経営革新計画等)を組み合わせて申請したい場合。
  • 過去に申請したが認定されなかった:計画内容の改善点を専門家の視点でアドバイスしてほしい場合。

行政書士は、事業継続力強化計画の策定支援や補助金申請のサポートを業務として行っています。計画の実効性を高め、認定の可能性を高めるために、専門家の知見を活用することも選択肢の一つです。

採択後の負担と「補助金Manager」という選択肢

補助金の採択を受けた後は、交付申請、実績報告、検査対応など、多くの事務手続きが発生します。特に、証拠書類の整理や報告書の作成には相当な時間と労力がかかります。

こうした採択後の手続き負担を軽減する選択肢の一つとして、補助金Managerがあります。補助金Managerは、採択後の事務手続きをサポートするサービスで、書類作成や進捗管理の負担を減らすことができます。

採択後の手続きに不安がある場合や、本業に集中したい場合には、採択後の手続きの負担を相談してみる →

まとめ

事業継続力強化計画は、自然災害等への備えを計画し国の認定を受けることで、補助金申請時の加点や税制優遇などのメリットが得られる制度です。認定までの標準処理期間は30日程度とされており、電子申請で手続きが可能です。ものづくり補助金や事業再構築補助金など、複数の補助金で加点項目として設定されていますが、公募回ごとに要件が変わるため、最新の公募要領を必ず確認してください。

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採択後の手続きに不安がある方は、補助金Managerで負担軽減の選択肢を検討してみてください。


本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の申請可否や採否を保証するものではありません。補助金・助成金の要件、補助率、上限額、締切等は公募回ごとに変わります。最新かつ正確な情報は、各制度の公式サイト・公募要領を必ずご確認ください。掲載情報は執筆時点のものです。個別のご相談は、当社の行政書士へお問い合わせください。

監修:トリプルナイン株式会社(行政書士在籍)